有田中央高等学校地域協育会発足に際して
有田地方は悠久の歴史を誇り、文化の香り高いところとして発展発達して参りました。また、当地は 全国的なブランドとして有名な『有田ミカン』の中心的産地であります。ここに至ったのは気候風土 だけではなく先人の知恵と努力の結晶であると言える出しょう。特に近代においての産業技術の発達 は特筆するに値し品種改良や生産技術の飛躍的発展により全国的名声を得たことは有田地方にとって は大いなる出来事でありました。 その有田ミカンの技術者養成を担ったのは明治40年に開校された吉備実業学校であることは紛れも ない事実です。近代的な農業技術を教え、有田ミカンのブランド化によって地域経済の発展に寄与し、 多くの優れた技術者とリーダーを世に輩出してきました。また、戦後は県立吉備高等学校として伝統 を引き継ぎつつも新たに改組され柑橘園芸のみならず家庭科や普通科も併設し地域の優れた教育機関 として発展、地域と共に歩んできました。平成9年には、総合学科の有田中央高等学校として新たな スタートとなりました。 校名の変遷はあっても、有田地方に於ける教育機関の中枢として多くの人材を輩出して参りました。 そして特筆すべきは卒業生の地域定着率の高さにあります。いわゆる地域密着型教育で地域と学校が 密接な関係を持ち、地域に貢献し、地域と共に歩むという教育機関はいまや希有な存在にあってきて いると言っても過言ではないでしょう。和歌山県内に於いては校区は撤廃され、地域と教育は結びつ いていない学校が増加する中、有田中央高校は地域定着率が高い教育機関として今後の地位社会の発 展や安定性を考える上でその役割は益々大きくなってくるものと確信しております。 そこで、この度有田中央高等学校に学ぶ生徒を地域社会に於ける有意義な人材として育てていくた めに『有田中央高等学校地域協育会』を設立しました。地域が真剣になって取り組むことにより、学 校・家庭・地域社会が一体となって連携し、補完・融合し合いながら支援活動を軸に様々な提言を行 い、協同して育てていこう、つまり『協育』という言葉を用い、未来ある若者をみんなが育てること を目指します。 教育は学校や家庭だけでは出来るものではありません。地域社会が一体になり、学校と家庭を結び、 そして子ども達に真剣に向き合うことにより初めて『教育』が行われるもので有り、それが『協同し て育てる=協育』となります。皆さんのご協力とご支援、そしてご参加をお願いいたします。 有田中央高等学校地域協育会 会長 中山 正隆